みどりのトカゲとあかいながしかく
スティーブ・アントニー 作・絵 /吉上恭太 訳
徳間書店2016年7月21日初版発行
「みどりのトカゲとあかいながしかくはたたかっていた」
と始まる物語です。
ユニークなタイトル
説得力のある鮮烈な色彩
ストレートなストーリー
「トカゲ」と「ながしかく」の争いを描くことで戦うことの酷さや虚しさを伝える、
と解説することさえ虚しくなるほど考えてしまいました。
「なんのためにたたかっているの?」
たずねた小さなとかげは……。
ねぇ、何のために戦っているの?
男には戦う時があるとは「あしたのジョー」の歌詞だったと記憶しています。
現実として、確かに戦わなければならないときもあるなぁと思います。
愛するものを守るため、名誉を守るためです。
なぜそうなるかというと、
余計なちょっかいを出したり、他人の物を欲しがる人がいるからです。
そして、謀略を巡らして遠巻きにほくそ笑んでいる権力者もいます。
自分の過失を認めない人が大勢います。
「ありがとう」
を言うのは、結構たやすいけれど、
「ごめんなさい」を言うのは難しいことです。
歳をとればとるほど、地位が上がれば上がるほど……。
暴力は否定されますが権力の横暴は肯定されます。
権力や同調圧力に抗って、
つい手を出してしまったり、
自らの命を絶つ人は少なくありません。
世界の戦争や諍いは特定の国が仕掛けているって本当ですか?
そんな噂をよく耳にします。
なにしろその国には武器を売って生活している人がいるのですから。、
良くないこととわかっていながら利益のために武器を売り、買わせる人がいて買う人を作り出しているようです。
お互いの利益を世襲していく権力者をみていると、
やはり、
戦いはなくならないのかなと思います。
でも、戦えない人がたくさんいます。
そして、
戦いたくないと思っている人はもっとたくさんいます。
2025年は巳年~みどりのトカゲの従妹の年だからきっと願いが叶う~
みどりのトカゲとあかいながしかくは、
いっしょうけんめい話し合ったそうです。
そして、みんなで きめたんだ……。
あとは読んでのお楽しみ!
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作家紹介~スティーブ・アントニー
スティーブ・アントニー
英国生まれ。アメリカ合衆国ニューメキシコ州育ち。英国スウィンドン在住。
7歳で色覚異常と診断されるが、好きな絵を描き続ける。
英国サイレンセスタ―大学・スウィンドン大学で美術を学ぶ。
2014年のデビュー作「女王さまのぼうし」でオスカー・ファーストブック賞
「おねがいパンダさん」「やだやだペティ」など
スティーブ・アントニーの本
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