【公務員・自衛官の投資資産運用】自衛隊退職後の年金制度

年金制度

自衛隊員の皆さんは、日々厳しい任務を通じて国家の安全を守っておられます。そんな中で、退職後の生活設計は重要な課題です。特に、自衛隊は50代半ばでの若年定年が一般的であるため、年金制度の理解が欠かせません。自衛隊員は国家公務員として、国家公務員共済組合(防衛省共済組合)に加入しており、退職後は厚生年金保険制度と退職等年金給付制度が適用されます。これにより、老齢厚生年金、老齢基礎年金、退職年金などが支給されます。

ただし、被保険者期間が短い場合、満額受給が難しくなる点に注意が必要です。本記事では、退職後の年金制度の種類、支給開始年齢、計算方法、注意点を詳しく解説します。最新の情報(令和7年度基準)を基に、現実的な視点でお伝えします。

年金の主な種類と概要

自衛隊退職後の年金は、主に以下の3つに分けられます。これらは被用者年金制度の一元化(平成27年10月)により、厚生年金と連携した形で支給されます。自衛隊員の場合、組合員期間が18歳入隊から50代退職まで約30〜40年と短いため、平均受給額が民間より低めになる傾向があります。

1. 老齢厚生年金 

   組合員期間中の報酬に基づく年金で、特別支給と本来支給があります。特別支給は生年月日により60歳以降から可能ですが、昭和36年4月2日以降生まれの方は65歳から本来支給のみです。

2. 老齢基礎年金  

   国民年金部分で、20歳から60歳までの加入期間に基づきます。自衛隊員は組合員として自動加入ですが、退職後60歳まで任意加入を検討してください。

3. 退職等年金給付(退職年金、公務障害年金、公務遺族年金) 

   一元化後の新制度で、退職年金は老齢厚生年金に上乗せされます。公務関連の障害や死亡時には別途給付があります。

また、経過措置として、平成27年9月以前の組合員期間がある場合、退職共済年金(経過的職域加算額)が追加されます。これにより、月額1万円程度の上乗せが期待できます。

支給開始年齢と要件

  • 老齢厚生年金:原則65歳から。ただし、特別支給は生年月日により61〜64歳から(例:昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日生まれは63歳)。要件は保険料納付済期間10年以上、厚生年金被保険者期間1年以上です。
  • 老齢基礎年金:65歳から。保険料納付済期間10年以上が必要です。
  • 退職年金:65歳から(終身退職年金と有期退職年金)。1年以上の組合員期間が必要です。
  • 公務障害年金・公務遺族年金:障害や死亡発生時から。公務傷病が要件です。

繰上げ受給(60歳から可能、減額率0.4〜0.5%/月)や繰下げ受給(最大75歳まで、増額率0.7%/月)も選択できますが、終身と有期を同時に申請する必要があります。

年金額の計算方法

年金額は個人の報酬や加入期間により異なります。以下は目安の計算式です。詳細は防衛省共済組合や国家公務員共済組合連合会(KKR)で試算してください。

老齢厚生年金(報酬比例部分 )

  (平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 平成15年3月以前の月数) + (平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 平成15年4月以降の月数)。  

  例:生涯平均給与60万円、被保険者期間432ヶ月(18歳入隊、54歳退職)の場合、約142万円/年(月11.8万円)。これに経過的職域加算額1万円程度が加わり、月12.8万円。

老齢基礎年金 

  満額831,700円(令和7年度) × (納付月数 + 免除月数) / 480ヶ月。  

  自衛隊員は20歳前加入もカウントされますが、退職後60歳まで未納分があると減額(例:54歳退職で6年不足の場合、約15%減)。

退職年金

  給付算定基礎額 = 各月の標準報酬額 × 付与率の累計 + 利子。  

  終身退職年金額 = 給付算定基礎額の1/2 / 現価率(組合員期間10年未満は1/4)。有期は240ヶ月(短縮可120ヶ月)で計算。

加給年金額(老齢厚生年金) 

  配偶者415,900円、子(2人目まで)239,300円など(令和7年度)。厚生年金期間20年以上で生計維持要件あり。

以下は自衛隊員の平均的な年金額目安表です(54歳退職、生涯平均給与60万円、満額基礎年金の場合)

年金の種類年金額目安(年額)月額目安注意点
老齢厚生年金142万円11.8万円短めで平均より低い
老齢基礎年金83万円(満額)6.9万円60歳まで加入推奨
退職年金+経過的加算12万円1万円上乗せ分
合計237万円19.7万円個別試算を

自衛官年金制度の注意点と対策

  • 被保険者期間の短さ:自衛隊の若年定年により、厚生年金平均受給額(男性16.6万円)に対し約77%になる可能性があります。退職後、再就職や任意加入で60歳まで保険料を払い続けましょう。
  • 支給停止:組合員在職中や雇用保険受給時は停止(例:基本手当時は老齢厚生年金全額停止)。高年齢雇用継続給付時は最大6%減
  • 手続き:退職時、防衛省共済組合から「退職届の写し」と「退職者のしおり」が渡されます。これを保管し、請求は退職時の支部経由で(郵送可)。決定まで約3ヶ月かかります。
  • 新制度の動向:2025年にOBらが「国家補償年金制度(仮称)」を提言しましたが、2026年現在、実施状況を確認してください。諸外国の恩給制度を参考にしたものです。
  • その他:障害者特例(3級以上で定額部分追加)や一時金選択も可能です。iDeCoやNISAで私的年金も検討を。

まとめ

自衛隊退職後の年金制度は、厚生年金と退職等年金給付を中心に設計されていますが、若年退職の特性から満額確保が課題です。まずはKKRの年金スマートサービスで試算を。退職後60歳までの収入確保と任意加入が鍵となります。防衛省共済組合(03-3268-3111)へ相談し、ゆとりある老後を計画してください。ご自身の状況に合った活用をおすすめします。

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